ミュージックワークショップ東京vol.8レポート

5/5(水)@笹塚 Rehearsal Studio Majestic14:00〜18:00

GW最終日の5月5日、少々汗ばむほどの陽気の中、第八回目となるミュージックワークショップが、東京は笹塚で開催された。

毎回プロの音楽家をメインインストラクターに招聘して行われるこのワークショップであるが、今回インストラクター務めて下さったのは、当ワークショップが発足した時から御尽力下さっているギタリストの廣木光一氏。言わずと知れた名手である。

ギタリストによるワークショップというと、どうしても「ギタリストの為のワークショップ」を想像しがちである。実際、参加下さった方々の約半数をギタリストが占めた。しかし、廣木氏はあっさりとその想像を裏切ってくれた。それは紛れも無く「音楽家の為のワークショップ」であった。「ミュージックワークショップ」という看板に一縷の嘘偽りも存在しなかった。

具体的な話になるが、ワークショップの中盤に「フレーズとは何か」という半ば禅問答のような問いが表出した。それに対して氏は極めて明瞭に、そして深遠な手掛かりを我々の眼前に差し出してくれた。言語と音楽の結び付き、音楽が包括する文化的背景等々。そういった種々のキーワードを用いて、真摯に我々参加者と向き合ってくれた。それはギターにのみならず、音楽家全体へと向けられた視線であった。

また、真摯に、と書いたが、それはまさに氏がこれまでに音楽に対して真摯に向き合ってこられた所産である、と私は感じた。恐らくはそれが氏の「やり方」なのだ。目の前にいる名手を前にして、我々に語りかけ、問いかける氏を見て、「この方は驚くほど真摯に音楽と対峙している」と。だからこそ出てくる珠玉の手掛かり(ヒント)の数々。一つ一つを反芻し咀嚼しながら記憶の抽斗に仕舞い込む。ぼやぼやしている暇は無かった。脳の情報処理速度をトップギヤに入れておかなければ、それらは単純に通り過ぎてしまう。快くも凄まじい緊張感の中、四時間のワークショップは過ぎていった。濃密過ぎる四時間であった。

ベーシストの佐藤えりか氏、ドラマーの千光士実氏、ピアニストの小太刀のばら氏といったプロのミュージシャンも多数御参加下さった。強靭な佐藤氏のベース、鋭くスピード感に溢れる千光士氏のドラム、繊細さと独特の美的感覚を伴った小太刀氏のピアノは、参加者たちの想像力を刺激し、様々なアイディアを喚起した。音楽の修行は、果てしない旅に似ている。私は帰りの電車の中で独りぼんやりとそんな事を思った。今いる場所からまだ見ぬ場所へ。無数の可能性が広大な荒野に拡がっている。これだから音楽はやめられない。とんでもないものに手を出してしまったものだ、と私は苦笑した。


ミュージックワークショップ東京実行委員会 福島 剛